夏の車中泊の暑さ対策においてポータブルクーラーの導入を考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、ポータブルクーラーを導入するにあたって
「夏の車中泊で使えるほど効果があるの?」
「消費電力はどのくらい?」
「おすすめのモデルは?」
といった点が気になり悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は実際にポータブルクーラーを夏の車中泊に使用し、温度変化や消費電力などの検証を行いました。
夏の車中泊でポータブルクーラーの使用を考えている方はぜひ参考にしてください。
ポータブルクーラーとは?

「ポータブルクーラー」とは小型で持ち運び可能なクーラーのことを指し、AC電源やシガーソケットで動かすことができるアイテムのことを指します。
暑い夏を快適に過ごすために、車中泊やキャンプなどのアウトドアシーンで人気が高まっています。
扇風機との大きな違いはフロン系ガスや氷、水を冷媒として、冷たい空気を送ることができる点です。
車中泊やキャンプなどのアウトドアシーンで、夏場に扇風機を使用してもぬるい空気があたるだけで、涼しく感じない場合がありますよね?
そんな場合でも、ポータブルクーラーであれば、冷えた空気で局所的に涼しく過ごすことができるようになります。
夏の車中泊に使えるポータブルクーラーの冷却方式
夏の車中泊に使えるポータブルクーラーの冷却方式は「室外機搭載型」と「室内機・室外機一体型」の大きく2種類にわけることができます。
水を含んだフィルターを通して涼しい風を出す「冷風扇」という製品もありますが、この製品は夏の車中泊に使用するには冷却能力が低く、車内の湿度を上げてしまうためおすすめできません。
室外機を搭載しているポータブルクーラー

室外機を搭載しているタイプのクーラーは、家庭用のクーラーと近い冷却方式の為、高い冷却能力を誇ると言うメリットを持っています。
室外機付きのクーラーの冷却方式は、熱交換によって室内の熱を冷媒にのせ、室外機を通して屋外に放熱することで、室内を冷やします。
つまり、室内の熱が室外機からどんどん屋外に排出されることで部屋全体の温度を下げ、涼しくすることができるのです。
室内機・室外機一体型のポータブルクーラー

室内機・室外機一体型のポータブルクーラーは発生する熱をホースによって室外に放出します。
このタイプは室外機が無いタイプよりも高い冷房能力を持ち、室外機があるモデルのように設置の工事が必要なく、楽に移動できるというメリットを持っています。
デメリットとしては、室外機が外にあるタイプよりは冷房能力がやや劣るという点です。
それでも、ポイントで風を当てれば十分涼しく、室温を下げる程の冷房能力は備えています。
室外機があるタイプと無いタイプの良いとこどりをしたハイブリッドモデルで、近年注目を集めている形式のポータブルクーラーです。
ポータブルクーラーは夏の車中泊で使える!?実際に検証してみた!

次に、ポータブルクーラーが夏の車中泊の暑さ対策に使えるのかどうか実際に検証を行いました。
今回の検証は人気ポータブルクーラー「カンゲキくん」を使用しました。
検証方法
検証方法は日中の車内でカンゲキくんを使用し、時間経過と共に車内の温度変化を測定します。
今回はカンゲキくんの目の前と、車の後部座席の2点に温度計を置いて時間経過と共に温度を測定しました。
検証開始時の温度


場所 | 開始温度 |
カンゲキくん前 | 31.2℃ |
後部座席 | 31.3℃ |
検証開始時の温度は上記の表の通りとなりました。
実際にカンゲキくんを動かし、時間経過と共に温度の変化をみていきましょう。
使用開始15分後


場所 | 開始温度 | 15分後 | 開始時との変化 |
カンゲキくん前 | 31.2℃ | 27.5℃ | −3.7℃ |
後部座席 | 31.3℃ | 33.0℃ | +1.7℃ |
使用開始から15分後の温度は上記の表の通りとなりました。
カンゲキくんの目の前の温度は開始時と比較して−3.7℃と涼しい風が吹き出していることがわかりました。
後部座席の温度は+1.7℃と上がっており、これはカンゲキくんの風が直接届いていないことや、日光による温度上昇の影響だと考えられます。
感想としては、実際に風が当たっている部分はかなり涼しく感じます。
まさにクーラーの風を直接浴びているような涼しさを体感することができます。
しかし、車内全体の温度はまだ暑いという印象です。
使用開始30分後


場所 | 開始温度 | 30分後 | 開始時との変化 |
カンゲキくん前 | 31.2℃ | 26.2℃ | −5.0℃ |
後部座席 | 31.3℃ | 32.7℃ | +1.4℃ |
使用開始から30分後の温度は上記の表の通りとなりました。
カンゲキくんの目の前の温度は開始時と比較して−5.0℃と先ほどよりも涼しい風が吹き出しています。
後部座席の温度は+1.4℃で、15分後よりは下がりましたが、依然開始時よりも高い温度となっています。
これも先ほどと同様にカンゲキくんの風が直接届いていないことや、日光による温度上昇の影響だと考えられます。
30分程動かしていると、吹き出す風の温度もさらに下がり、非常に冷たい風が吹き出していることがわかります。
風を浴びている場所に関してはむしろ寒いと感じるほどの涼しさでした。
使用開始1時間後


場所 | 開始温度 | 1時間後 | 開始時との変化 |
カンゲキくん前 | 31.2℃ | 23.9℃ | −7.3℃ |
後部座席 | 31.3℃ | 30.2℃ | −1.1℃ |
使用開始から1時間後の温度は上記の表の通りとなりました。
カンゲキくんの目の前の温度は開始時と比較して−7.3℃とまさに感激レベルの涼しい風が吹き出しています。
後部座席の温度も−1.1℃と開始時よりも涼しくなりました。
これは1時間使用していることで、車内の全体の温度が徐々に下がり、後部にもその影響が現れたためだと考えることができます。
1時間の使用で車内温度を開始時よりも下げることができました。
検証結果まとめ
測定で得た結果をまとめると下記の表の通りとなります。
場所 | 開始時 | 15分後 | 30分後 | 1時間後 |
カンゲキくん前 | 31.2℃ | 27.5℃ | 26.2℃ | 23.9℃ |
後部座席 | 31.3℃ | 33.0℃ | 32.7℃ | 30.2℃ |
この結果をみてわかるように、ポータブルスポットクーラー「カンゲキくん」を使用すると、使用時間と共に車内の温度が下がることがわかりました。
この結果より、夏の暑さ対策としてカンゲキくんは有効であるという結論に至りました。
カンゲキくんの風が当たる部分は効果が早く、どんどん冷えていき、離れているところは時間と共に徐々に涼しくなっていく傾向がみられました。
今回は1時間という検証時間でしたが、長時間使用するとさらに涼しくなっていくことが予想されます。
車内全体の温度を下げるよりも、ポータブルクーラーの風を直接浴びながら使用するとしっかりと効果を実感することができます。
夏の暑さ対策で購入を考えている人には非常におすすめのアイテムであることがわかりました。
ポータブルクーラーの消費電力は?ポータブル電源で何時間使用できる?

次に夏の車中泊の暑さ対策としてポータブルクーラーを使用する場合に気になるのが「消費電力」です。
消費電力はどのくらいの時間ポータブルクーラーを使用できるかに影響します。
上の写真はカンゲキくんを使用している時の、ポータブル電源に表示されている消費電力です。
使用時の消費電力は「204W」であることがわかります。
家庭用コンセントで使用する分には問題はありませんが、車中泊やキャンプシーンにおいてポータブル電源で動かす場合は長時間の稼働が難しい消費電力です。
現在電気容量が1000Whを超える大きな電気容量を持ったポータブル電源が販売されていますが、それでも動かすことができるのは5時間前後です。
ポータブルクーラーを就寝時に使用したいと考えている方は非常に大きな電気容量のポータブル電源も合わせて購入しないと途中で止まってしまうことになります。
長時間の稼働が難しく、夜間付けっぱなしで寝ることができないのは大きなデメリットと言えます。
また、起動時には瞬間的に1000W前後の出力を必要とするため、高い出力を持ったポータブル電源が必要となる点に注意してください。
夏の車中泊におすすめのポータブルクーラー8選!
それでは夏の車中泊におすすめのポータブル電源を紹介いたします!
①EcoFlow 「WAVE2 ポータブルクーラー 」

室内機・室外機・電源一体型
2023年に発売された最新モデルのポータブルクーラーです。
旧モデルよりも冷房能力がアップし、暖房機能も追加されました。
着脱式のバッテリーを付けることで、コンセントの無い場所でも使用することができます。
②EcoFlow 「WAVEポータブルクーラー 」

室内機・室外機・電源一体型
2022年に、ポータブル電源メーカーEcoFlowから発売されたばかりの最新のポータブルクーラーです。
バッテリー式で冷却力、稼働時間、携帯性の三拍子が揃った高性能モデルです。
EcoFlow Waveは家のコンセント(AC電源)とポータブル電源につないで使用できるのはもちろんのこと、電源のない場所で長時間使用したい場合も、着脱式のバッテリーパックを装着することで、連続8時間使用できるようになります。
EcoFlow製のポータブル電源を組み合わせるとより長時間使用することができます。
まさに車中泊に特化した、今注目のポータブルクーラーです。
2022年5月24日から予約販売を開始したため、詳しくは以下からご覧ください↓
③山善 ポータブルスポットクーラー「カンゲキくん2」

室内機・室外機一体型
まず始めに紹介するのが、ポータブルクーラーで非常におすすめのアイテム「カンゲキくん2」です。
こちらは本体後ろのホースから熱を室外に放出することができる為、高い冷却効果を持っています。
吐出口では周囲の温度よりも−10℃の冷風を排出することができ、夏の車内でも温度を下げる冷房能力を備えています。
大きさは長さ587×奥204×高さ263mmで、ポータブルクーラーの中では比較的小型で持ち運びも可能です。
取り付けの工事は一切要らないので、車中泊やアウトドア様々なシーンでの利用が可能です。
前モデルから新たにリニューアルされ、さらに使い勝手が向上しました。
最新モデルのカンゲキくん2を実際に使用したレビューは下記の記事をご覧ください↓↓↓

④ナカトミ ポータブルミニエアコン

室内機・室外機一体型
先ほど紹介したカンゲキくんと近い形状の超小型エアコンです。
持ち運びしやすい形状で、オフィスや作業場、レジャーにもおすすめ。
本体のサイズは61.5×20.0×27.0cmとなっています。
2万円代で購入できるので、他の超小型エアコンよりもコストパフォーマンスが良いモデルとなっています。
⑤COIZUMI(コイズミ) ポータブルクーラー「ラ・クール」

室外機あり
本体は室内機と室外機に別れており、通常のクーラーと同様の仕組みを小型化した構造です。
室内機と室外機で吸熱と排熱の役割を分けているため、局所的ではなく、空間全体の温度を下げることが可能です。
消費電力は540Whなので、ポータブル電源での使用は1〜3時間程度でおすすめいたしません。
サブバッテリーを搭載した車か、AC電源を利用できる環境下のみでの使用となります。
・キャンピングカー(コンパクトキャブコン)で使用してみたくて購入。セッティングする時は重すぎ。疲れます。窓の大きさを考えないとセットできません。真夏の昼間の使用には厳しいかも。(3~4度下げるのが精一杯) 電源が確保出来るところなら、夜間は少し寝れるかなって感じ。
⑥CLESEED(クレシード) 「クレクール5」

室外機あり
「クレクール5」は先ほどご紹介したラ・クールと同様に、室外機と室内機が別れた構造で、冷房能力が高い製品です。
冷房機能に加え、除湿機能も搭載しているため、蒸し暑い夏にも最適です。
消費電力は560Wとサブバッテリーやポータブル電源で長時間使うには難しいものの、AC電源が利用できるキャンプ場やRVパークでは利用可能です。
標準装備されているキャンピングカーもあり、冷房能力と評判が共に高い商品です。
⑦CLESEED(クレシード) 「クレクール3ホワイト」

室内機・室外機一体型
「クレクール3」は小さな外見から冷房能力800W(3000BTU)を備えた、室内機・室外機一体型の移動式スポットクーラーです。
冷房だけでなく、除湿・加湿・空気清浄器としての機能も搭載しています。
また、コンパクト・軽量なので持ち運んで外出・レジャー先での使用もできます。
キャンピングカーや室内等の密閉空間を冷やすには、冷風口・本体・排気ダクト等に工夫(断熱材を使用しての熱処理等)が必要となるので注意してください。
⑧サンコー「ワイルドクーラー」

通販サイトサンコーが販売している小型エアコンが「ワイルドクーラー」です。
こちらも先ほど紹介したカンゲキくんと同様で、室外機と室内機を一体化させたモデルの小型エアコンです。
本体のサイズは幅21.4×横52.5×高さ29.0cm、重量9.8kgで片手で持ちはこべるサイズとなっています。
作業場やガレージ、エアコンの無い部屋、車中泊とどこにでも持ち運んで使用することができます。
冷房能力は1000BTUで、カンゲキくんよりは低いものの、29,800円と比較的安価で購入できる点が魅力的です。
ポータブルクーラーを上手に活用して、夏の車中泊を快適に過ごしましょう!
以上、今回は夏の車中泊にポータブルクーラーが使えるのか、冷却効果や消費電力の検証を行って紹介しました!
また、おすすめのポータブルクーラーやエアコン、冷房機器も紹介いたしました。
夏の車中泊でポータブルクーラーを長時間使用するには大容量のバッテリーが必要になりますが、冷却効果に関しては効果があることが検証でわかりました。
今回の記事を参考に、是非みなさんも夏の暑さ対策の一つとしてポータブルクーラーを検討してみてはいかがでしょうか?