リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)ポータブル電源おすすめ7選!メリット・デメリットは!?

コンセントがない場所でもノートパソコンや家電製品を使えるポータブル電源
キャンプや車中泊のアウトドアシーンはもちろん、リモートワークなど日常的に使用する方も増えています。

ポータブル電源の寿命は6~11年ほどとされていますが、充放電を繰り返せる回数が決まっているため、使用頻度が多い場合、想定よりも早くバッテリーが劣化してしまいます。

特に日常的にポータブル電源を使用する方は、電気容量や出力、ポート数のほかにポータブル電源の寿命もチェックすることが大切です。

そこで今回は長寿命が特徴のリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)が使われたポータブル電源おすすめ5選を紹介いたします!

リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)のメリットやデメリットも解説いたしますので、長寿命のポータブル電源をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ポータブル電源とは

まず初めにポータブル電源とは、大容量のリチウムイオン電池を搭載したバッテリーです。
小型や大型なものなど大きさは製品によって異なりますが、多くのモデルが持ち運びしやすいように作られています。

スマホを充電できるUSBポートはもちろん、ACポートも搭載しており、家のコンセントと同じように家電製品が使用可能です。

以前までポータブル電源は「キャンプや車中泊などアウトドアシーンで使用するもの」というイメージがありました。

しかし最近では、災害時の停電に備えた防災グッズとして、またリモートワークの電源として購入する方も増えています。
サイズや電気容量などさまざまなシーンに合わせて、いろんなポータブル電源が発売されています。

LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)電池とは?三元系と比較して解説

ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池は、主に「リン酸鉄リチウムイオン電池」と「三元系リチウムイオン電池」の2種類です。
それぞれの特徴をわかりやすく解説いたします。

三元系リチウムイオン電池とは

三元系リチウムイオン電池は、コバルト・ニッケル・マンガンの三元素を正極に使用した電池です。
エネルギー密度と安全性のバランスが良く、多くの大半のポータブル電源に採用されています。

エネルギー密度が高いと、小さな本体に多くの電気を蓄電可能。
パワーがありつつも小型化を実現しているリチウムイオン電池です。

リン酸鉄リチウムイオン電池とは

一方、今回紹介するリン酸鉄リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の中で最も安全性が高いとされている電池です。
リン酸を正極に使用しており、リチウム(Li)、鉄(Fe)、リン(P)が材料として使われています。

サイクル回数が三元系よりも多く、長寿命のバッテリーです。
ポータブル電源が日常的に使われるようになり、安全でサイクル回数の多いリン酸鉄がより注目され始めました。

最近では、多くのメーカーがリン酸鉄を搭載した高機能なポータブル電源を発売しています。
安全性と長寿命を売りにしたポータブル電源に採用されることが多い電池です。

一方、今回紹介するリン酸鉄リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の中で最も安全性が高いとされている電池です。

LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)電池のメリット・デメリット

リン酸鉄リチウムイオン電池のメリット・デメリットを三元系と比較しながら、詳しく解説していきます。

LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)電池のメリット

メリット
・安定性が高く安全
・サイクル回数が多い(寿命が長い)
・低温環境でも使用できる
・耐熱温度が高い
・自己放電が少ない

リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットは、リチウムイオン電池の中で最も安全性が高い点です。

三元系やコバルト系と言われる電池は、過去に爆発や発火事故を起こしたことがあります。
一方、リン酸鉄リチウムイオンはリンと酸の結びつきが強く、内部で発熱しても熱暴走が起こりにくいため、高い安全性を誇ります。

またサイクル回数が500〜800回前後の三元系に対し、リン酸鉄リチウムは2500回ほどと長寿命です。
三元系の3倍ほど長く使用できるので、日常的にポータブル電源を使う方もサイクル回数を気にせず使えます

ポータブル電源は寒さに弱く、気温が低いと本来の性能を発揮できません。
氷点下になると、短時間でバッテリーがなくなってしまうことも多々あります。

しかしリン酸鉄リチウムイオン電池は低温環境にも強いため、-20℃でも放電可能です。
耐熱温度も三元系より高いため、高温環境にも強く、安全性に優れています。

さらにリン酸鉄リチウムイオン電池は、月1%程度しか自己放電しません。

そのため長期間充電しなくても、電力を保持できるのもメリットとして挙げられます。

リン酸鉄リチウムイオンの寿命について解説した記事は以下をご覧ください↓↓↓

LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)電池のデメリット

デメリット
・電気容量に対しての価格が高い
・エネルギー密度が低い

リン酸鉄リチウムイオン電池のデメリットは、電気容量に対して価格が高い点です。

原材料費は安いですが、リチウムイオン電池化するのにコストがかかるため、商品価格が高くなってしまいます。

またリチウムイオン電池の中では、電圧・エネルギー密度が低いため、過放電や過充電状態になっても爆発しにくいというメリットの反面、同じ電気容量でも三元系より重量が増えるというデメリットもあります。

三元系かリン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源のどっちがいいの?

三元系とリン酸鉄、どちらのポータブル電源を購入すればいいのか。
筆者のおすすめはリン酸鉄リチウムイオン電池です!

リン酸鉄のデメリットでエネルギー密度が低い点を挙げました。
しかしここ数年、リン酸鉄のデメリットであるエネルギー密度の問題は急速に改善されており、リン酸鉄ポータブル電源の小型化が進んでいます。

三元系のエネルギー密度に今はまだ及ばないものの、近い未来に三元系と同等、もしくはそれ以上になるかもしれません。
三元系の高いエネルギー密度で小型化を実現しているメリットがなくなり、リン酸鉄が主流になる可能性も考えられます。

実際にBLUETTIでは、三元系リチウムイオン電池を搭載していたポータブル電源の生産を終了しています。

また三元系の原材料であるコバルトは希少金属でコストが高く、価格変動も大きいです。
価格だけでなく、原産国では劣悪な労働環境が問題視されています。

そのような観点からもコストの安いリン酸鉄がより注目され、今後リン酸鉄ポータブル電源の市場はさらに拡大するでしょう。

ECOFLOWやPowerArQなど有名なポータブル電源メーカーも、リン酸鉄のポータブル電源を発売し始めています。
リン酸鉄が最も安全で長寿命、さらにエネルギー密度も高く小型となったら、わざわざ三元系を選ぶ必要はなくなるのではないでしょうか。

リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)ポータブル電源おすすめ7選

それではリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)ポータブル電源おすすめ7選を紹介いたします。

ポータブル電源の寿命も重視したい方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

【Anker】Anker 521 Portable Power Station(PowerHouse 256Wh)

Ankerのポータブル電源シリーズ初、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用したポータブル電源です。

6つの出力ポートを搭載しており、複数のデバイスへ同時給電することができます。

出力は200Wと小さいですが、持ち運びしやすいコンパクトなサイズ感なので、スマホの充電やノートパソコンを使うリモートワークに最適です。

通常のパススルー充電はバッテリーの劣化を早めてしまいますが、このAnker 521 Portable Power Stationのパススルー充電は、バッテリーを介さず直接デバイスへ給電することでバッテリーの劣化を抑える仕組みを採用。

そのためバッテリーの劣化を気にせず、パススルー充電することができます。

またサイクル回数は3000回以上と長寿命なので、日常的にポータブル電源を使いたい方も安心です。

価格(税込)24,800円
電気容量256Wh
出力200W(瞬間出力:600W)
ポート数AC×2、USB Type-A×2、USB Type-C×1、シガーソケット×1
サイズ約21.6×21.1×14.4㎝
重量約3.7kg

【EcoFlow】DELTA Pro

出典:EcoFlow公式サイト

電気容量3600Wh、出力3000Wと圧倒的なスペックを誇るEcoFlowのDELTA Proです。

電子レンジやドライヤー、電気ケトルなどの消費電力の大きい家電製品はもちろん、高出力の電動工具も使用できます。

サイクル回数は3500回以上で、6500回使用後も初期容量の50%以上を維持する長寿命です。

EcoFlow独自の高速充電機能X-Streamテクノロジーで、わずか3.1時間でフル充電可能に。

出力ポートは合計15口もあるので、さまざまなデバイスへ惜しみなく電力を供給できます。

さらに別売りの専用エクストラバッテリーや2台のDELTA Proを接続すると、最大21,600Whまで電気容量を拡張可能。

重量は45kgと持ち運びには適していませんが、屋外イベントに使用でき、災害時でも家族分の電力を確保できます。

安全性が高く、超大容量なポータブル電源をお探しの方にぴったりです。

価格(税込)399,300円
電気容量3600Wh
出力3000W(瞬間出力:6000W)
ポート数AC×5、USB Type-A×4、USB Type-C×2、DC×2、アンダーソンコネクター×1、シガーソケット×1
サイズ約63.5×28.5×41.6㎝
重量約45kg

【ECOFLOW】DELTA2

出典:ECOFLOW

ECOFLOWから発売されている2台目のリン酸鉄ポータブル電源です。

ECOFLOWの人気モデル「EFDELTA」の後継機となっています。

1024Whとアウトドアシーンはもちろん、防災グッズとしても十分な大容量バッテリーを搭載。

高速充電機能でわずか50分で充電でき、サイクル回数は約3000回。

またACポート6口を含む合計15口もの出力ポートが搭載されており、使い勝手も抜群です。

出力は1500Wと高出力で、家にあるほとんどの家電製品を動かせます。

重量は12kgほどあり、手軽に持ち運びできるモデルではありませんが、DELTA Proほどの電気容量は必要ない方におすすめです。

価格(税込)143,000円
電気容量1024Wh
出力1500W(瞬間出力:2250W)
ポート数AC×6、USB Type-A×4、USB Type-C×2、DC×2、シガーソケット×1
サイズ約49.7×24.2×30.5㎝
重量約12kg

【SmartTap】PowerArQ max 

出典:PowerArQ

人気のPowerArQシリーズから近日発売予定のポータブル電源です。

オシャレなデザインは健在で、電気容量は2150Whとシリーズ最大!

出力は2000Wと、ドライヤーや電子レンジはもちろん、多くの家電製品を使用可能。

2022年10月19日現在、出力ポートやサイクル回数など細かいスペックは公開されていません。

おそらく、シリーズ最高峰のスペックを持っていると考えられます。

詳細が公開され次第、追記いたしますのでお楽しみに!

価格(税込)264,000円
電気容量2150Wh
出力2000W(瞬間出力:4800W)
ポート数近日公開(2022年10月19日現在、未公開)
サイズ約38.4×26.9×30.8㎝
重量約28.2kg

【BLUETTI】EB70

出典:BLUETTI JAPAN

BLUETTIから発売されている716Whのポータブル電源です。

出力は700W、瞬間出力は最大1400W、サイクル回数は2500回以上となっています。

充電時間は3.75時間と比較的早く充電可能です。

ドライヤーや電子レンジなどは使用できませんが、スマホの充電やLEDライト、ノートパソコンを使うには十分な電気容量と出力となっています。

また合計12口の多彩な出力ポートを搭載しているだけでなく、置くだけでスマホを充電できるワイヤレス充電も搭載しているので、使い勝手が抜群です。

リン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源は、高価になる傾向がありますが、このEB70は78,980円と安く購入できます。

機能と電気容量、価格のバランスが良いポータブル電源です。

価格(税込)78,980円
電気容量716Wh
出力700W(瞬間出力:1400W)
ポート数AC×4、USB Type-A×2、USB Type-C×2、DC×2、ワイヤレス充電×1、シガーソケット×1
サイズ約32×21.7×22.2㎝
重量約9.7kg

【BLUETTI】AC200P

出典:BLUETTI JAPAN

電気容量2000Wh、出力2000Wの超大容量のポータブル電源です。

ドライヤーや電子レンジなど消費電力の高い家電製品も使えます。

家庭用のコンセントから約4.5時間でフル充電可能。

さらに付属の充電ACアダプターに加え、別売りのACアダプターやソーラーパネルなどを併用すれば最短2時間で充電できます。

出力ポートは合計17口搭載しており、ワイヤレス充電も2つ搭載しています。

ACポートが6口もあるので、家電製品を多く使いたい方も安心です。

27.5kgと重量はあるので持ち運びには適していませんが、防災グッズとして頼れるポータブル電源です。

価格(税込)219,980円
電気容量2000Wh
出力2000W(瞬間出力:4800W)
ポート数AC×6、USB Type-A×4、USB Type-C×1、DC×2、車用ポート×1、ワイヤレス充電×2、シガーソケット×1
サイズ約42×28×38.6㎝
重量約27.5kg

【ヨコモリ電池屋】OUPES UPP-1100

ヨコモリ電池屋コーポレーションから発売されているポータブル電源です。

コンパクトですが電池容量992Wh、出力1100Wと高スペックで、さまざまな家電製品を使用できます。

背面には1000ルーメンとかなり明るいLEDライトを搭載しているので、停電時やアウトドアシーンの非常灯としても使用可能です。

またこのUPP-1100は、視認性に優れた大型液晶ディスプレイを採用しています。

出力やバッテリー残量の表示だけでなく、接続中の機器をあと何時間使用できるかの予想時間も表示されます。

状況に合わせて電気を使うことができるのも嬉しいポイントです。

価格(税込)98,900円
電気容量992Wh
出力1100W(瞬間出力:1500W)
ポート数AC×3、USB Type-A×2、USB Type-C×1、シガーソケット×1
サイズ約33×22×28.9㎝
重量約11kg

リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリーは長寿命と安全性が魅力!

以上、長寿命が特徴のリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)が使われたポータブル電源おすすめ5選を紹介いたしました。

ポータブル電源は一般的に6~11年ほど使えると言われていますが、充放電できる回数は限られています。

月に数回の使用ならそこまで気にする必要はありませんが、日常的にポータブル電源を使いたい方は、サイクル回数も購入前にチェックしましょう。

リン酸鉄リチウムイオン電池が使われたポータブル電源は、長寿命というメリットの反面、エネルギー密度が低いことや価格が高くなりやすいなどのデメリットもあります。
しかしデメリットであるエネルギー密度は年々、改善されつつあるので今後注目したいポイントです。

メリット・デメリットを理解した上で、ご自身に最適なポータブル電源を選んでくださいね!